これは、「好きなことを仕事にしよう」という安易で無責任な話ではありません。
その先にある、もっと泥臭く、もっと確かな「本質」について解説していきます。

就職・転職したいけど、特にやりたいことがない…
多くの方がそう呟き、思考が止まってしまいます。
キャリアについて真剣に悩む真面目な方ほど、この出口のない沼にハマってしまう傾向があります。
しかし、あなたに「やりたいこと」がない、というのは大きな勘違いだと断言します。
「やりたいこと」は、ある日突然空から降ってくるものではありません。
ご自身の中に眠っている“種”を見つけ、丁寧に育て上げていく作業なのです。
この記事では、小難しい自己分析ツールや、何十ページもあるワークシートは一切使いません。
「サルでもわかる」ほどシンプルな、たった3つの質問に答えるだけで、
あなたの天職に繋がる“種”を見つけ出す方法をお伝えします。
【大前提】「好きなこと」を仕事にしてはいけない本当の理由
「好きなことで、生きていく」
これは聞こえの良い言葉ですが、多くの方がこの言葉の罠にはまり、キャリアの迷子になってしまいます。
なぜなら、「好き」という感情には「消費者としての好き」と「供給者としての好き」という、
全く異なる2つの側面があるからです。
例えば、あなたは「美味しいラーメンを食べるのが好き」かもしれません。
これは消費者の視点です。
しかし、「美味しいラーメンを作る」供給者側になると、
そこにはスープの研究、長時間の仕込み、クレーム対応といった、大変な“仕事”が待っています。
「食べるのが好きだから、作るのも好きだろう」とは、必ずしも言えないのです。
この「消費者」から「供給者」への視点転換こそが、天職を見つけるための第一歩です。
では、「好き」という気持ちは無意味なのでしょうか?
いえ、そうではありません。
「好き(没頭できること)」は、あくまであなたを突き動かす「エンジン」です。
それは、あなたがその領域に興味を持ち続け、困難な“仕事”を乗り越え、
学び続けるための強力なガソリンになります。
しかし、ガソリンだけではお客様からお金をいただくことはできません。
私たちが目指すのは、「好き」をエネルギー源にして、「得意」という武器で価値を生み出し、
その結果として「やりがい」という最高の報酬を得ることです。
そのための具体的な方法を、これからお伝えします。
【実践編】あなたの「エンジン・武器・羅針盤」を見つける3つの質問
紙とペンをご用意ください。スマートフォンのメモ機能でも大丈夫です。
深く考えすぎず、直感で、ご自身に嘘をつかずに書き出してみてください。
質問①:あなたが『時間を忘れるほど没頭できること』は何か?(エンジン)
あなたの「情熱」の源泉、つまり学び続けるためのエネルギーはどこから来るのかを探る。
仕事やお金と全く関係なくて良いです。
「Netflixで考察ドラマを観る」「アイドルの動画を編集する」「一日中ゲームをする」「ぼーっと散歩する」…
何でも大丈夫です。
重要なのは、その行動の「何が」あなたを没頭させているのかを掘り下げることにあります。



「なぜ?」を繰り返して、“種”を見つけましょう!
(例) ゲームに没頭する
なぜ?→ レベル上げが好きだから
レベル上げの何が?→ 昨日より今日、確実にキャラクターが強くなるのが快感だから
“種”の発見 → 「数値を積み上げ、成長を実感すること」に、あなたのエンジンはあるのかもしれません。
私が時間を忘れるほど没頭できることは【 】です。
なぜなら、その中の【 】という要素がたまらなく面白いからです。
質問②:あなたが、よく頼られる・褒められることは何か?(武器)
あなたが当たり前すぎて気づいていない「他者に価値を提供できる才能」を客観的に見つける。
自分では「おせっかいなだけ」「好きでやってるだけ」と思っていることの中に、あなたの「武器」は眠っています。
「旅行の計画を立てさせたら天才的だよね」
「PCのトラブルは、とりあえずお前に聞けば何とかなる」
「いつも話のまとめ役、ありがとう」
どんな些細なことでも良いです。思い出せるだけ書き出してください。



「なぜ?」を繰り返して、“種”を見つけましょう!
(例)旅行の計画を頼まれる
なぜ?→ いつも予算内で最高のプランを提案してくれるから
どうやって?→ 移動時間、予算、それぞれの希望をパズルのように組み立てるのが得意だか
“種”の発見 → 「複雑な要素を整理し、最適な計画を立てる才能」は、あなたの立派な武器です。
私が周りの人からよく頼られたり、褒められたりするのは【 】な時です。
それは私が無意識に【 】をすることが得意だからかもしれません。